ヨツバシオガマ　（四葉塩竈）
Pedicularis chamissonis var. japonica
ゴマノハグサ科　シオガマギク属

亜高山〜高山帯の礫地や草地などに生え、茎の高さは１０〜６０センチ。茎頂の総状花序に
長さ約１．８センチの赤紫色の花を４個ずつ、７〜１２段輪生させる。花冠は上唇と下唇
からなる唇形で、上唇はかぶと状で、先はくちばし状に曲がって鋭くとがる。下唇は３裂する。
がくは筒状で、先が５裂する。
葉は羽状に全裂し、３〜６個ずつ、数段輪生させる。花冠の基部に線形の苞が１個ある。

花期：７〜８月　　分布：北海道、本州(中部地方以北)

ヨツバシオガマは、高山帯でごく普通に見られる。ただ、背丈が低いものやかなり高いものまで
あり、葉の色も濃緑色と紫檀色(深く暗い赤みの紫色)の２つのタイプが見られた。花めぐり初心者
には種類の違う花に見えてしまう。2003.7.23/2003.7.9

大雪山(赤岳〜小泉岳)
左の個体の葉色は濃い緑色、花序の下の方は花が終わっていた。 右の個体は高さが低く、葉色は紫檀色(深く暗い赤みの紫色)だった。 高山帯の短い夏に合わせるかのように、こじんまりしていた。
花冠は上唇と下唇からなる唇形。 上唇はかぶと状で、先はくちばし状に曲がって鋭くとがる。 花冠の基部につく苞も見える。 2003.7.23 Nikon COOLPIX995
大雪山(黒岳〜お鉢平)
葉は緑よりも、赤味がかった紫色の面積が広く、まるで、枯れている かのように見える。しかし、花の見頃はこれからである。 2003.7.9 Nikon COOLPIX995

大雪山の赤岳・小泉岳を歩いてから５日後に夕張岳の頂上に立った。この時期、ヨツバシオガマの
花の盛りは過ぎていると思っていた。しかし、まだ盛りの花も割にあり、登頂の苦しさを忘れさせて
くれた。2003.7.28

ヨツバシオガマは、夕張岳頂上直下の吹き通し付近で見られた。2003.7.3

夕張岳
三本の株立ちだった。 2003.7.28 Nikon COOLPIX995	下の方が咲き始めたばかりで 先が楽しみ。 2003.7.3 Nikon COOLPIX995

ヨツバシオガマは、オロフレ峠からオロフレ山に至る登山道沿いで見られた。大雪山で
会って以来だから７年ぶりである。花期はふつう７月のはずだが、高温に推移した初夏の
陽気に誘われてか、花を開き始めていた。2010.6.26

壮瞥町　オロフレ峠
登山道に咲いていたが、大雪山と比べ色合いが異なる。 2010.6.26 Canon EOS 20D＋SIGMA AF50mm F2.8 MACRO
茎頂の花序の輪生段数は、７段以上になると 推測され、高山帯に比べ、かなり大型である。 2010.6.26 Canon Power Shot G11 撮影者：ほたる