ツルアリドオシ　（蔓蟻通）
Mitchella undulata
アカネ科　ツルアリドオシ属

低地〜亜高山帯の林内などに生え、茎は地上を這い、長さは１０〜４０センチ。茎先に長さ１．５
センチの白色の花を２個ずつ並んでつける。花冠は筒状で、先はふつう４裂し、まれに５裂する。
裂片の内側には毛がある。果実は直径約８ミリの球形の液果で、赤く熟す。２個の花筒の下に
ある子房は、１個に合着しているため、果実は１個しかできない。葉は対生し、狭卵形〜卵形で
質は厚く、縁はやや波状。

花期：６〜７月　　分布：北海道、本州、四国、九州

ツルアリドオシは、野幌森林公園の針葉樹林内で見られた。花冠の先はふつう４裂し、まれに５裂
することもあるというが、３裂するものが見られた。2006.7.23

花冠の先が３裂するものがあった

2006.7.15　江別市　野幌森林公園 Canon EOS 20D＋EF100mm F2.8マクロ

野幌森林公園は、この時期、花が少ない。しかし、針葉樹林下に一歩踏み込むと、足の置場に困る
ほどツルアリドオシが咲いていて嬉しくなる。また、年によって個体数に変化が多いようだが、ウメ
ガサソウやイチヤクソウも同時に見られる。2004.7.14

ツルアリドオシの果実は、野幌森林公園でスミレを探索中に偶然見つけた。花も身近で見られる
ことが分かり楽しみが増えた。2004.5.19

ツルアリドオシは、夕張岳の冷水コースと馬の背コースの分岐付近でみられた。登山道が浅い
溝状になった場所で、草地から登山道に垂れるように蔓を伸ばし、可愛らしい花を２個ずつつけて
いた。場所が場所だけに、花に興味のない登山者に気付かれることはないと思うが、逆に踏みつけ
られる可能性があり、ちょっと心配なのだ。2003.8.19

花の背後に見える果実 は、前の年の秋に 実らせたもの。	果実は、２個の花筒の下にある子房 が１個に合着してできる。 果実の頂には、２個の花の痕跡が 見られる。	白色の花が仲良く ２個ずつ並ぶ。
2004.7.14　江別市 野幌森林公園	2004.5.19　江別市 野幌森林公園	2003.8.19　夕張岳 (分岐〜望岳台)
Nikon COOLPIX995