ナンブイヌナズナ　（南部犬なずな）
Draba japonica
アブラナ科　イヌナズナ属

高山帯の蛇紋岩地に生え、茎の高さは５〜１０センチ。茎先の総状花序に、直径約８ミリの黄色の
花を数個つける。花弁は４個で、倒卵形。先はややへこむ。根出葉は線状倒披針形で、全縁。茎葉
は広倒披針形で、多肉質。縁にはまばらに鋸歯があるか全縁。全草に星状毛がある。

ナンブイヌナズナは環境省から絶滅危惧種ＩＢ類（EN)、北海道から絶滅危急種(Ｖｕ)として指定されて
いる。

花期：６〜８月　　分布：北海道(夕張、日高)、本州(早池峰)

ナンブイヌナズナは、蛇紋岩崩壊地という特殊な環境でしか生きられない。夕張岳では吹き通しで
見られるが、６年前に出合ったときよりも花が少ない印象を受けた。ただ、ユウバリソウの咲き具合
からすると、花の咲く時期はこれからのようで、個体数の減少とは無関係かも知れない。2009.6.29

2009.6.29　夕張岳(吹き通し) Canon Power Shot G7

ナンブイヌナズナは、夕張岳の吹き通しに咲いていた。吹き通しは蛇紋岩の礫地で、ユウバリソウ
ユキバヒゴダイ、エゾミヤマクワガタなどの珍しい花が見られる。2003.7.3

葉が線状に見える のはエゾタカネツメクサと 混生しているため。 2003.7.3　夕張岳(吹き通し) Nikon COOLPIX995